第9章 労働関係の展開に関する法規整
通貨払の原則
賃金は、「通貨」で支払われなければならない(労働基準法24条1項)。これは現物給与を禁止するのが本旨である。
※この原則における「通貨」とは、日本国において強制通用力のある貨幣を意味し、外国通貨は入らない。小切手による支払も通貨による支払とはいえず、銀行振出自己宛小切手でも同様である。また、通勤定期券の支給も、通勤手当は賃金であるため、その現物支給となる。
通貨払原則の例外は、「労働協約に別段の定めがある場合」または、「厚生労働省令で定めるものによる場合」(同条同項)である。
労働基準法施行規則はこれをうけて、労働者の同意ある場合には、①賃金の口座振込み、および、②退職手当を銀行その他の金融機関が自己宛に振出しもしくは支払保証をした小切手または郵便振替に支払うことを適法化している(7条の2)。
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