第3章 働き方改革実行計画
教育の現状
○学歴と就職
学校卒業後に非正社員として就職する確率は、高校卒業者:30.4%、大学卒業者:25.4%というように、学歴によって異なっている(総務省「平成24年就業構造基本調査」)。
このような差が、正社員と非正社員の職業訓練の機会の差とも相まって、学歴で将来の賃金差が生じる一因となっている。学歴別生涯賃金(男性、引退まで、退職金を含む)は、大学・大学院卒:3億2,030万円に対し、高校卒:2億4,490万円というデータもある。
○家庭状況による教育格差等
世代を超えた格差の固定化を防ぐには、教育が重要な役割を担うといわれている。
格差を示す指標である相対的貧困率は減少している(2009年:10.1% → 2014年:9.9%)。それでも、家庭の経済事情等により進学を断念せざるを得ない場合が問題となっている。世帯収入別高校卒業後の4年制大学進学率をみると、1,000万円超:62.4%に対し、400万円以下:27.8%となっており、収入格差がみられる。家庭状況別大学等進学率でも、全体:73.2%に対し、ひとり親世帯:41.6%、生活保護世帯:31.7%、児童養護施設:23.3%となっており、家庭状況による格差がみられる。
大学等の学生生活費の月額平均は、国立・自宅:9.4万円、私立・下宿:17.3万円となっており、進学費用のために多額の奨学金貸与を受けるといった過度な負担のケースもみられる。また、無利子奨学金の残存適格者(基準を満たしているのに予算不足で貸与されない者)が約2.4万人(2016年)という状況の解消が課題となっている。
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