第3章 働き方改革実行計画
年間実労働時間
厚生労働省「毎月勤務統計調査」によると、見かけ上は、「年間総実労働時間」は減少傾向で推移している。
すなわち、年間総実労働時間の推移(パートタイム労働者を含む)をみると、1990年代には1850時間~1900時間程度あった総実労働時間が、2015年には1734時間にまで減少している。
しかし、一般労働者(フルタイム)の総実労働時間についてみると、1990年代以降は、2009年(1976時間)を除き、2000時間以上を維持しており(2015年は2026時間)、一般労働者の総労働時間は横ばいで推移している。
これに対し、全労働者に対するパートタイム労働者(短時間労働者)の比率は、1990年代の15%程度から2015年には30.5%と増加し続けてきた。そして、パートタイム労働者の総実労働時間は1990年代(1100時間以上)から減少傾向を続け、2015年には1068時間にまで減少している。
このことから、年間総実労働時間を減少させてきた最大の理由は、パートタイム労働者が増加したことにあるといえる。
従って、年間総実労働時間が減少傾向にあるからといって、長時間労働が改善されつつあるものとみることはできない。
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