第3章 働き方改革実行計画
在宅勤務
労働者が在宅勤務を行う場合においても、労働者であることに変わりはないから、労働基準法、労働契約法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等の労働関係法令が適用される(在宅勤務ガイドライン)。
労働基準法上注意すべき点は、次のとおりである。
①労働条件の明示
労働契約を締結する者に対し在宅勤務を行わせることとする場合においては、労働契約の締結に際し、就業の場所として、労働者の自宅であることを書面(労働条件通知書等)で明示しなければならない(同法施行規則5条2項)。
② 労働時間
在宅勤務でも、通常の労働時間制(1日8時間、週40時間)が適用される(同法32条)。
ただし、変形労働時間制やフレックスタイム制(同法32条の2~4)、裁量労働制(同法38条の3、4)を活用することができる。また、事業場外みなし労働時間制(同法38条の2)も利用できる。
③ 就業規則の定め等
在宅勤務を行う労働者について、通常の労働者と異なる賃金制度等を定める場合には、当該事項について就業規則を作成・変更し、届け出なければならない(同法89条2号)。
在宅勤務を行う労働者に情報通信機器等、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定しなければならない(同法89条5号)。
在宅勤務を行う労働者について、社内教育や研修制度に関する定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定しなければならない(同法89条7号)。
労働契約法上注意すべき点は、次のとおりである。
・在宅勤務を導入する場合は、できる限り書面により確認するものとする(労働契約法4条2項)。
労働安全衛生法上注意すべき点は、次のとおりである
・通常の労働者と同様に、在宅勤務を行う労働者についても、その健康保持を確保する必要があり、必要な健康診断を行うとともに(同法66条1項)、在宅勤務を行う労働者を雇い入れたときは、必要な安全衛生教育を行う必要がある(同法59条1項)。
在宅勤務において、労働者災害補償保険法上注意すべき点は、次のとおりである。
・労働者災害補償保険においては、自宅であっても、業務が原因である災害については、業務上の災害として保険給付の対象となる。
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