現代の企業人に求められる必須の知識

【働き方改革検定】

労働法を詳しく学ぼう

36協定 -ワークスタイル用語集-


第3章 働き方改革実行計画

36協定

○36協定の締結状況

「36協定」(時間外労働協定)を締結している企業は81.1%である(締結していない企業の多くは「時間外労働がない」か「適用除外である」に該当)。(平成27年度厚生労働省委託「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業報告書」。以下のデータも同じ)

○36協定を利用する業種、延長時間

36協定を締結した事業場で最も多くの従業員が従事している業務は、多い順で、「営業・販売業務」:23.0%、「製造・現業業務」:21.3%、「管理業務(経営企画、秘書、経理・財務・予算、人事・教育等)」: 14.2%等となっている。

1か月間の延長時間(延長限度時間)を協定している場合の1か月間の協定時間の平均値は44.0時間であり、具体的には、「30時間超45時間以下」が77.2%で最も多い。1か月間の延長時間を業種別にみると、45時間超の割合は「運輸業・郵便業」と「建設業」が突出して高く(運輸業・郵便業の50%、建設業の35.8%が45時間超である。他業種は多くても8.1%)、「運輸業・郵便業」と「建設業」の長時間労働が指摘されている。

また、1か月間の延長時間を全従業員規模別でみると、45時間超としている企業は50人~1000人程度の規模の企業が多い(「50人以上300人未満」:8.4%、「300人以上500人未満」:13.5%、「500人以上1,000人未満」:8.2%)。

○特別条項付き協定の状況

36協定を締結している企業のうち、「特別条項付き協定」を締結している企業は47.5%に及ぶ。

※臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情がある場合に、「時間外労働の限度に関する基準」が定める限度時間を超える延長時間を認める協定。「特別条項付き協定」を締結することで、1か月45時間等の上限を超えた時間外労働が可能となる。

「特別条項付き協定」を締結している事業所における1か月間の特別延長時間の平均値は78.1時間であり、「60時間超80時間以下」が40.4%と最も多いが、「80時間超100時間以下」も14.9%ある。

このため、「特別条項付き協定」が長時間労働の温床となっていると指摘されている。


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