第3章 働き方改革実行計画
最低賃金制度
○最低賃金制度
「最低賃金制度」は、国が、最低賃金法に基づいて賃金の最低額を定め、使用者に対してその遵守を強制する制度である。
最低賃金には地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金がある。
① 地域別最低賃金
産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労使に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められている。
② 特定(産業別)最低賃金
特定の産業について設定されている最低賃金である。
最低賃金審議会が地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた産業について設定されている。全国で233件(2017年4月現在)の最低賃金が定められており、このうち232件は各都道府県内の特定の産業について決定されており、1件は全国単位で決められている(全国非金属鉱業最低賃金)。
○最低賃金の効果
最低賃金額よりも低い賃金を労使合意の上で定めても、法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされる。従って、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはならない。
地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められている。
最低賃金は、特に、パートタイム労働者の賃金に大きな影響を与えるといわれている。
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