第3章 働き方改革実行計画
人材育成
○教育訓練費の停滞
民間企業における一人当たりの教育訓練費は漸減傾向にあり、1991年に1,670円/人・月で最大となって以降は低下・横ばいで推移し、2011年には1,038円/人・月となった(厚生労働省「人的資源の最大活用について②(人的資本形成関係)」)。
○社会人の学び直し
社会人の半数が学び直しを希望しているが、我が国の社会人学生は2.5%(2016年)と、OECD平均の16.7%(2014年)と比べると低水準であり、社会人の学び直しの環境整備が課題となっている。
○正社員と非正社員の格差
正社員の能力開発は企業側で実施すべきという考えが強いが(労働者側で実施すべきとする企業は2割程度)、非正社員の能力開発については、労働者側で実施すべきと考える企業は多い(3割以上。厚生労働省「平成29年度能力開発基本調査」)。このことから、企業には、依然として、卒業後に正社員として入社した者に対して、将来同じ企業に勤め続けることを念頭に置いて職業訓練を実施する傾向があることがうかがえる。
このように、正社員と非正社員は、賃金格差だけでなく、教育訓練の機会にも格差がある。このため、学校卒業後すぐの就職で非正社員として就業し、しばらく正社員として勤務しなかった場合は、学校卒業後すぐの就職で正社員として就業した者に比べると、その後正社員として就業する確率が低くなる(同)。そのような者は、正社員としての人的資本形成(教育訓練等によるスキル向上)の機会に恵まれず、将来にわたって正社員の賃金よりも低い賃金に直面する可能性が高くなる。
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