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第9章 労働関係の展開に関する法規整

ストレスチェック制度

○ストレスチェック制度

「ストレスチェック制度」は、常時50人以上の労働者を雇用する事業場が毎年実施を義務付けられている「心理的な負担等を把握するための検査等」である(労働安全衛生法66条の10)。

○制度趣旨

ストレスチェック制度の基本趣旨は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場の中で、メンタルヘルス不調のリスクの高いものを早期に発見し、医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することにある。

ストレスチェック制度の主たる目的が、精神疾患の発見ではなく、メンタルヘルス不調の未然防止にある点には、注意を要する。

○義務の対象

ストレスチェック制度の実施義務を有する事業場は、常時50人以上の労働者を雇用する事業場である。「労働者」にはパートタイム労働者や派遣先の派遣労働者も含まれる。

それ以外の事業場(常時50人未満の労働者を使用する事業場)については、ストレスチェック制度は当分の間、努力義務とされている。

ストレスチェックの実施

ストレスチェック制度の実施責任主体は事業者であり、次の手順で取り組むこととされている(「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」=ストレスチェック指針)。

ア.ストレスチェック制度に関する基本方針を表明する

イ.ストレスチェック及び面接指導

① 衛生委員会等において、ストレスチェック制度の実施方法等について調査審議を行い、その結果を踏まえ、事業者がその事業場におけるストレスチェック制度の実施方法等を規程として定める。

② 事業者は、労働者に対して、医師、保健師又は厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師若しくは精神保健福祉士(「医師等」)によるストレスチェックを行う。

・質問票を労働者に配布して労働者が記入し、医師等の実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が回収する。

・実施者がストレスの程度を評価し、高ストレスで医師の面接指導が必要な者を選定する。

③ 事業者は、ストレスチェックを受けた労働者に対して、当該ストレスチェックを実施した医師等(「実施者」)から、その結果を直接本人に通知させる。

・事業者には通知されない。

・結果は、実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が保存する。

④ ストレスチェック結果の通知を受けた労働者のうち、高ストレス者として選定され、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた労働者から申出があった場合は、事業者は、当該労働者に対して、医師による面接指導を実施する。

⑤ 事業者は、面接指導を実施した医師から、就業上の措置に関する意見を聴取する。

・面接指導の結果は事業所において5年間保存する。

⑥ 事業者は、医師の意見を勘案し、必要に応じて、適切な措置を講じる。

ウ.集団ごとの集計・分析

① 事業者は、実施者に、ストレスチェック結果を一定規模の集団ごとに集計・分析させる。

② 事業者は、集団ごとの集計・分析の結果を勘案し、必要に応じて、適切な措置を講じる。


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