第4章 労働法総論
勤労の権利
憲法27条1項は、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」として、基本的人権として勤労の権利を保障する。
「勤労の権利」は、国の次の2つの政策義務を意味する。
① 労働者が自己の能力と特性を活かした労働の機会を得られるように労働市場の体制を整える義務
② そのような労働の機会を得られない労働者に対し生活を保障する義務
第1の義務に対応する政策(立法)は、職業安定法、雇用対策法、職業能力開発促進法、障害者の雇用の促進等に関する法律、高齢者等の雇用の安定等に関する法律、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律などがある。
第2の義務に対応する政策(立法)は、雇用保険法、求職者支援法などがある。