第4章 労働法総論
労働法
「労働法」は、そのような名前の法律があるわけではない。労働基準法、労働組合法、男女雇用機会均等法、最低賃金法など、労働市場、個別的労働関係および団体的労使関係に関する法律を総体として「労働法」と呼んでいる。
労働法の役割
使用者と労働者との間で締結される「労働契約」は、労働条件等の契約内容を使用者と労働者の合意で決めるのが基本である(契約自由の原則)。
しかし、契約自由の原則を放任すると、立場の弱い労働者が、雇ってもらうために、低賃金や長時間労働などの劣悪な労働条件での契約を締結せざるを得ないことがありうる。労働法は、そのようなことにならないよう、一定のルールを設けて労働者を保護している。