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問題1.
憲法上の基本規定に関する次のaからeまでの記述のうち、適切ではないものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.憲法27条・28条の規定は、同法25条の規定と同様に、勤労者の生存権確保のための国の積極的政策義務、及びそのような施策を実現するための立法を授権する効果を有している。
b.「勤労の権利」は、国に対して、労働者が自己の能力と適性を活かした労働の機会を得られるように労働市場の体制を整える義務を課すものであるが、そのような労働の機会を得られない労働者に対し生活を保障する義務まで課すものではない。
c.「勤労の義務」は、働く能力のある者は労働しなければならない義務を負うと解されている。
d.企業が労働者の服装・身だしなみ、プライバシーなどを服務規律や業務命令によってどの程度の規制ができるかについては、「人格の自由」が考慮される。
e.求人求職の媒介の仕組みとしての労働市場及び契約関係としての労働関係への法的介入については、「職業選択の自由」や「契約の自由」が考慮される必要がある。
  • ア.aとb
  • イ.aとd
  • ウ.bとc
  • エ.cとe
  • オ.dとe

解答:ウ 憲法上の基本規定

a 正しい。国の最高法規である憲法は、勤労の権利及び義務(憲法27条1項)、勤労条件の基準の法定(同27条2項)、団結権・団体交渉権・団体行動権の保障(同28条)という労働法の基本的な原則及び権利を明文で定めている。
b 誤 り。勤労の権利は、国に対して、労働者が自己の能力と適性を活かした労働の機会を得られるように労働市場の体制を整える義務を課すだけでなく、そのような労働の機会を与えられない労働者に対し生活を保障する義務をも課すものである(憲法27条1項)。
c 誤 り。勤労の義務は、国が労働意欲を持たない者の為に生存を確保するための施策を講ずる必要がないことを表明したものであるとされている(憲法27条1項)。
d 正しい。企業が労働者の服装・身だしなみ、プライバシーなどを服務規律や業務命令によってどの程度の規制ができるかについては、「人格の自由」(憲法13条)が考慮される。
e 正しい。求人求職の媒介の仕組みとしての労働市場及び契約関係としての労働関係への法的介入については、「職業選択の自由」(憲法22条)や「契約の自由」(憲法29条)が考慮される必要がある。

問題2.
使用者及び労働者に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.労働契約法の適用を受ける「労働者」とは、使用者に使用されていること、賃金を支払われていることという要件を満たす者である。
イ.労働組合法上の「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう。
ウ.労働基準法は、その適用対象である「使用者」を「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定義している。
エ.労働安全衛生法上の「事業者」は、労働基準法の義務主体である「使用者」の概念と同じである。

解答:エ 使用者及び労働者

ア 正しい。労働契約法の適用を受ける「労働者」とは、使用者に使用されていること、賃金を支払われていることという要件を満たす者である(労働契約法2条1項)。
イ 正しい。労働組合法上の「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう(労働組合法3条)。
ウ 正しい。労働基準法は、その適用対象である「使用者」を「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定義している(労働基準法10条)。
エ 誤 り。労働安全衛生法上の「事業者」とは、事業を行う者で、労働者を使用するものをいい(労働安全衛生法2条3号)、法人企業であれば当該法人、個人企業であれば事業経営主を指す。 労働基準法の義務主体である「使用者」と異なり、事業経営の利益の帰属主体そのものを義務主体としてとらえ、その安全衛生上の責任を明確にしたものである(昭47. 9.18発基91号)。

問題3.
労働契約法における労働契約の成立と原則に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
イ.労働契約の成立要件を満たすためには、使用者は労働者に対し、当該契約の内容を書面で交付しなければならない。
ウ.労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものでなければならない。
エ.労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものでなければならない。
オ.労働契約法上、労働者及び使用者の行き過ぎた権限行使を抑制するため、権利濫用禁止の原則が規定されている。

解答:イ 労働契約の成立と原則

ア 正しい。労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する(労働契約法6条)。
イ 誤 り。労働契約における「合意」(労働契約法6条)については、契約書の作成などの要式は必要とされておらず、口頭によるものでもよいとされている(同法4条2項も参照)。従って、労働契約書の書面による交付は、労働契約の成立要件ではない。
ウ 正しい。労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものでなければならない(労働契約法3条2項)。
エ 正しい。労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものでなければならない(労働契約法3条3項)。
オ 正しい。労働契約法上、労働者及び使用者の行き過ぎた権限行使を抑制するため、権利濫用禁止の原則が規定されている(労働契約法3条5項)。

問題4.
就業規則に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
ア.常時10人以上の労働者を使用する使用者は、一定事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないが、「10人以上」とは、企業単位で計算される。
イ.「常時10人以上の労働者を使用する」とは、1年のうち一定期間に雇用する労働者の数が10人以上になるという意味であり、通常は3人であっても、繁忙期において10人以上になる場合は、これに含まれる。
ウ.就業規則の作成・変更について、使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得なければならない。
エ.使用者は、就業規則を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させる義務を負うが、常時10人未満の労働者を使用する使用者には、就業規則の周知義務はない。
オ.就業規則の作成・届出義務の違反は、30万円以下の罰金に処せられる。

解答:オ 就業規則

ア 誤 り。常時10人以上の労働者を使用する使用者は、一定の事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない(労働基準法89条、則49条1項)が、「10人以上」とは、企業単位ではなく、事業場単位で計算される。
イ 誤 り。「常時10人以上の労働者を使用する」とは、常態として10人以上を使用していることを意味する。繁忙期のみ10人以上を使用するというのはこれに該当しない。
ウ 誤 り。使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない(労働基準法90条1項)。つまり、同意までは求めていない。
エ 誤 り。常時10人未満の労働者を使用する使用者は、就業規則の作成・届出義務を負わない。しかし、周知義務は法令の周知義務と同様の趣旨であるから、常時10人未満の労働者を使用する使用者であっても、就業規則を作成した場合には、周知義務を負う(労働基準法106条1項)。
オ 正しい。就業規則の作成・届出義務の違反は、30万円以下の罰金に処せられる(労働基準法120条1号)。

問題5.
労働契約における労働者と使用者の権利・義務に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.使用者は、労働契約に基づいて、本来の債務である賃金支払義務を負うほか、労働契約に定めがある限り、付随義務として安全配慮義務を負う。
イ.労働者は、使用者に労務を提供する義務を負い、その義務を債務の本旨に従って履行しなければならないため、労務を提供するにあたっては、職務専念義務及び誠実労働義務を負う。
ウ.競業避止義務特約を定めていない場合、退職後の労働者には、職業選択の自由と営業の自由があるので、労働契約存続中のように一般的に競業避止義務を認めることはできない。
エ.労働者が労働義務または付随的義務に違反して使用者に損害を与えた場合、使用者は債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。

解答:ア 労働者と使用者の権利・義務

ア 誤 り。使用者は、労働契約に基づいて、本来の債務である賃金支払義務を負うほか、労働契約に定めがなくても、付随義務として安全配慮義務を負う(労働契約法5条)。
イ 正しい。労働者は、使用者に労務を提供する義務を負い、その義務を債務の本旨に従って履行しなければならない(民法493条)ため、労務を提供するにあたっては、職務専念義務及び誠実労働義務を負う。
ウ 正しい。競業避止義務特約を定めていない場合、退職後の労働者には、職業選択の自由と営業の自由がある(憲法22条1項)ので、労働契約存続中のように一般的に競業避止義務を認めることはできない。なお、競業避止義務特約を定めている場合においても、判例は、「退職後の秘密保持義務の合理性を前提に、期間、区域、職種、使用者の利益の程度、労働者の不利益の程度、労働者への代償の有無等の諸般の事情を総合して合理的な制限の範囲にとどまっているときに限り、公序良俗に反せず無効とは言えないと解される」としている(東京地判平14.8.30)。
エ 正しい。労働者が労働義務または付随的義務に違反して使用者に損害を与えた場合、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる(民法415条、416条)。

問題6.
次の文章を読み、(  )に入る適切な語句の組合せを、以下のアからエまでのうち1つ選びなさい。
【事件概要】
被告会社の従業員Mは、ビデオカメラを使って会社の女子更衣室で原告Xらを密かに撮影していた。会社はこれに気付いたが、ビデオカメラの向きを逆さにしただけで、カメラの撤去、犯人の追及等をしなかったため、Mは撮影をし続けた。その後、会社側が犯人を探索したところ、Mが名乗り出たので、Mを懲戒解雇した。
被告であるY専務取締役は、後日の朝礼においてXがMと男女関係にあるような発言をし、また、Xに対し、1日休んで会社での勤務を続けるかどうかについて考えてくるように発言した。これにより、Xの就業環境が害され、会社に居づらくなったXは退職をした。

【判決要旨】
被告会社は、雇用契約に付随して、「原告の( a )を侵害されることがないように職場の環境を整える義務」とともに「原告がその意に反して退職することがないように職場の環境を整える義務があるというべきである。」とし、これらの義務を怠った会社には( b )責任があるとした。また、専務取締役個人にも( c )による損害賠償義務を認め、退職による逸失利益として180日分の賃金相当額(約79万円)、慰謝料として100万円(専務に対する関係では50万円)、弁護士費用15万円を認容している。( 京都地判 平9.4.17 呉服販売会社事件)

ア.a.プライバシーb.債務不履行c.不法行為
イ.a.自由権b.不法行為c.債務不履行
ウ.a.プライバシーb.不法行為c.債務不履行
エ.a.自由権b.債務不履行c.不法行為

解答:ア セクシュアル・ハラスメント

被告会社は、雇用契約に付随して、「原告の( a.プライバシー )を侵害されることがないように職場の環境を整える義務」とともに「原告がその意に反して退職することがないように職場の環境を整える義務があるというべきである」とし、これらの義務を怠った会社には( b.債務不履行 )責任があるとした。また、専務個人にも( c.不法行為 )による損害賠償義務を認め、退職による逸失利益(退職しなければ得られたであろう利益)として、180日分の賃金相当額(約79万円)、慰謝料として100万円(専務に対する関係では50万円)、弁護士費用15万円を認容している。( 京都地判 平9.4.17 呉服販売会社事件)


問題7.
労働基準法15条(労働条件の明示)の規定に基づき、労働契約の締結に際し、使用者が労働者に対して、書面の交付により明示しなければならないこととされている次のaからeまでの事項のうち、適切ではないものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期に関する事項
b.安全及び衛生に関する事項、災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
c.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、所定労働時間を超える労働の有無並びに所定労働日以外の日の労働の有無に関する事項
d.労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
e.使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
  • ア.aとb
  • イ.bとc
  • ウ.cとd
  • エ.dとe
  • オ.aとe

解答:イ 労働条件の書面の交付による明示義務

a 正しい。賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期に関する事項は、使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれている(労働基準法15条1項、則5条1項3号・2項・3項)
b 誤 り。安全及び衛生に関する事項(労働基準法施行規則5条1項7号)、災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項(同項9号)は、書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれていない(労働基準法15条1項、則5条2項・3項)。
c 誤 り。始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、所定労働時間を超える労働の有無に関する事項(労働基準法施行規則5条1項2号)は、使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれている(労働基準法15条1項、則5条2項・3項)が、所定労働日以外の日の労働の有無に関する事項は、書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれていない。
d 正しい。労働契約の期間に関する事項(労働基準法施行規則5条1項1号)、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(同項1号の3)は、使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれている(労働基準法15条1項、則5条2項・3項)。
e 正しい。使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(労働基準法施行規則5条1号の2)を、書面の交付により明示しなければならない (労働基準法15条1項、則5条2項・3項)。

問題8.
解雇の予告に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.民法は、期間の定めのない労働契約における使用者及び労働者の解約予告期間は2週間で足りると規定しているが、労働基準法は、使用者のなす解雇につき予告期間を30日間置くことまたは平均賃金30日分の予告手当を支払うことを義務づけている。
イ.労働基準法において、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合または労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、解雇の予告または予告手当の支払を要しない。
ウ.判例は、解雇予告の期間を置かず、予告手当の支払もしないでなされた解雇の通知は、即時解雇としては効力を生じないが、通知後30日の期間を経過するか、通知の後に予告手当を支払ったときは、解雇の効力が生じると解されている。
エ.労働基準法における解雇予告の義務規定は、使用期間中の者(雇入れ日から14日以内の者)については適用しないが、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は適用される。
オ.使用者が労働基準法で定める解雇予告手当を支払わなかった場合、裁判所は、使用者が支払わなければならない金額についての未払い金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができるが、付加金の支払い義務について、判例は、労働者の請求によって初めて発生するものではなく、使用者が予告手当等を支払わなかった場合に、当然発生すべきものと解されている。

解答:オ 解雇の予告

ア 正しい。民法は、期間の定めのない労働契約における使用者及び労働者の解約予告期間は2週間で足りると規定している(同法627条1項)が、労働基準法は、使用者のなす解雇につき、予告期間を30日間置くことまたは平均賃金30日分の予告手当を支払うこと(同法20条)を義務づけている。
イ 正しい。天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合または労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、解雇の予告または予告手当の支払を要しない(労働基準法20条)。
ウ 正しい。判例は、「使用者が労働基準法20条所定の予告期間をおかず、または予告手当の支払をしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知后同条所定の30日の期間を経過するか、または通知の後に同条所定の予告手当の支払をしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生ずるものと解すべきであって、本件解雇の通知は30日の期間経過と共に解雇の効力を生じたものとする原判決の判断は正当である。」としている(細谷服装事件、最判昭35.3.11)。
エ 正しい。解雇予告義務の規定は、使用期間中の者(雇入れ日から14日以内の者)については適用しないが、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は適用される(労働基準法21条4号)。
オ 誤 り。使用者が解雇予告手当を支払わなかった場合、裁判所は、労働者の請求により、それらの規定に従って使用者が支払わなければならない金額についての未払い金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる(労働基準法114条)が、付加金の支払義務について、判例は、使用者が予告手当等を支払わなかった場合に、当然発生するものではなく、労働者の請求により裁判所がその支払を命ずることによって、初めて発生するものと解すべきであるとしている(細谷服装事件、最判昭35.3.11)。

問題9.
有期労働契約から無期労働契約への転換申込権の要件と行使に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
ア.労働契約法18条1項により、通算契約期間が5年を超える有期労働契約下にある労働者は、その一方的意思表示により無期労働契約への転換を成就する転換申込権を有している。
イ.同一事業主の複数の異なる事業場において有期労働契約を順次締結してきた場合、両者を通算して5年を超えているときでも、事業場が異なっていることから、労働契約法18条1項は適用されない。
ウ.5年超の有期労働契約が当該労働者による無期転換権の行使によって無期労働契約に転換する場合の労働条件については、別段の定めがある場合であっても、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件と同一のものとする。
エ.有期労働契約の無期転換について、就業規則上の整備が何もされていない場合であっても、無期転換後、有期労働契約中の労働条件はそのまま承継されない。

解答:ア 転換申込権

ア 正しい。労働契約法18条1項は、「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において『通算契約期間』という。)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。」と規定している。ここから、通算契約期間が5年を超える有期労働契約下にある労働者は、その一方的意思表示により無期労働契約への転換を成就する転換申込権を有していると解されることになる。
イ 誤 り。「同一の使用者」にあたるどうかは事業場単位ではなく、事業主単位で判定される。よって、同一事業主の複数の異なる事業場において有期労働契約を時間的に順次締結してきた場合、「同一の使用者」との間で締結された二以上の有期労働契約といえる。したがって、同一事業主の複数の異なる事業場において有期労働契約を順次締結してきた場合、両者を通算して5年を超えているときには、労働契約法18条1項が適用される。
ウ 誤 り。労働契約法18条1項後段は、「この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。」と規定する。この「別段の定め」とは、より有利に変更する定めと、より不利に変更する定めの双方を予定している。
エ 誤 り。有期労働契約の無期転換について、就業規則上の整備が何もされていない場合には、無期転換後の労働条件は、期間の定めを除くほか、有期労働契約中の労働条件がそのまま承継される。承継される労働条件としては、従前の賃金、労働時間、休日・休暇、服務規律、福利厚生などが挙げられる。

問題10.
労働契約法における有期労働契約者に対する不合理な労働条件の禁止に関する次のaからeまでの記述のうち、適切なものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、この労働条件には、賃金・諸手当、労働時間・休日の基準などの基幹的労働条件は含まれるが、解雇等の基準・手続や懲戒の基準・手続は含まれない。
b.期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、不合理性を基礎づける事実は労働者が、そして不合理性の評価を妨げる事実は使用者が、主張・立証すべきとされている。
c.期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、不合理な労働条件か否かは、当該職務の内容及び職務内容・配置の変更の範囲のみを考慮して判断される。
d.期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、パートタイム労働法9条において、職務内容・配置の変更の範囲の同一性は要件とされておらず、同一性が認められない場合でも類似性があればそれがその程度とともに考慮されうる。
e.期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、不合理な労働条件を定めた労働協約、就業規則、個別的労働契約の定めが無効となることはない。
  • ア.aとc
  • イ.aとe
  • ウ.bとc
  • エ.bとd
  • オ.dとe

解答:エ 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止

a 誤 り。労働契約法20条は、「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。」と規定する。この「労働条件」は、「労働契約の内容」となる限りは広義にとらえられるべきであり、賃金・諸手当、労働時間・休日の基準などの基幹的労働条件のみならず、解雇等の基準・手続や懲戒の基準・手続も含まれる。
b 正しい。期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、不合理性を基礎づける事実は労働者が、そして不合理性の評価を妨げる事実は使用者が、主張・立証すべきとされている。
c 誤 り。労働契約法20条は、当該労働条件の相違が不合理か否かは、「労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して」、総合的に判断するものとしている。
d 正しい。期間の定めがあることによる有期労働契約者に対する不合理な労働条件は禁止されているが、パートタイム労働法9条において、職務内容・配置の変更の範囲の同一性は要件とされておらず、同一性が認められない場合でも類似性があればそれがその程度とともに考慮されうる。
e 誤 り。労働契約法20条は強行法規性を有することから、不合理な労働条件を定めた労働協約、就業規則、個別的労働契約の定めは無効となり、その定めによる取扱いは不法行為の違法性を備える。

問題11.
労働基準法における賃金に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.労働基準法上、賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうとされているが、実費弁償として支払われる旅費は、賃金に含まれない。
イ.労働者が5分間遅刻した場合に、30分間遅刻したものとして賃金をカットする処理は、労務の提供のなかった限度を超えるカットについてこのような取扱いを就業規則に減給の制裁として定めている場合は、賃金の全額払の原則に反しない。
ウ.年俸制を採用している場合においても、毎月1回以上一定期日払の原則は適用されるが、必ずしも毎月に年棒を12か月で均等した月平均額を支払う必要はなく、年俸の一部を賞与として支給することもできる。
エ.労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法上の賃金であり、同法24条2項の臨時の賃金等に当たる。
オ.労働者が、賃金を自身の損害賠償債務の支払いのために第三者に譲渡し、その旨を使用者に通知した場合、使用者は第三者にその賃金を支払うことができる。

解答:オ 賃金

ア.正しい。労働基準法上、賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうとされているが、実費弁償として支払われる旅費は、賃金に含まれない(労働基準法11条、昭26.12.27 基収6126号)。
イ.正しい。労働者が5分間遅刻した場合に、30分間遅刻したものとして賃金をカットする処理は、労働基準法第24条の賃金の全額払の原則に反し違法であるが、労務の提供のなかった限度を超えるカット(25分間についてのカット)についてこのような取扱いを就業規則の減給の制裁として定めて同法91条の制限内で行う場合には、同法第24条の賃金の全額払の原則に反しない(労働基準法24条1項、昭63.3.14 基発150号)。
ウ.正しい。年俸制を採用している場合においても、毎月1回以上一定期日払の原則は適用されるが、必ずしも毎月に年棒を12か月で均等した月平均額を支払う必要はなく、年俸の一部を賞与として支給することもできる。(労働基準法24条2項)
エ.正しい。労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法11条の賃金であり、同法24条2項の臨時の賃金等に当たる」とされている。(昭22.9.13 発基17号)
オ.誤 り。賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。よって、労働者が、賃金を自身の損害賠償債務の支払のために第三者に譲渡し、その旨が使用者に通知された場合であっても、使用者は第三者にその賃金を支払うことはできない(労働基準法24条1項)。

問題12.
労働基準法における労働時間に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.判例は、労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうが、その労働時間に該当するか否かについては、労働契約、就業規則、労働協約等の定めを基準に判断するべきであるとしている。
イ.始業前または終業後の労働者の作業服及び保護具等の着脱にかかる時間は、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当する。
ウ.判例は、労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない仮眠時間が労働基準法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が実作業に従事していない仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであるべきとしている。
エ.労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱いによる出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない。
オ.労働安全衛生法に定める安全衛生委員会の会議が法定労働時間外に行われた場合、安全衛生委員会の会議の開催に要する時間は、労働時間に該当する。

解答:ア 労働時間

ア 誤 り。判例は、「労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」としている(労働基準法32条、三菱重工業長崎造船所事件 最判平12.3.9)。
イ 正しい。始業前または終業後の作業服及び保護具等の着脱等は、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要する時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当するとするのが最高裁判所の判例である(労働基準法32条、三菱重工業長崎造船所事件 最判平12.3.9)。
ウ 正しい。「労基法32条の労働時間(以下「労基法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない仮眠時間(以下「不活動仮眠時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは,労働者が不活動仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである」とするのが最高裁判所の判例である(労働基準法32条、大星ビル管理事件 最判平14.2.28)。
エ 正しい。労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱いによる出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない(労働基準法32条、昭26.1.20 基収2875号)
オ 正しい。労働安全衛生法に定める安全衛生委員会の会議が法定労働時間外に行われた場合、安全衛生委員会の会議の開催に要する時間は、労働時間に該当する(労働基準法32条、昭47.9.18 基発602号)。

問題13.
労働基準法におけるフレックスタイム制に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.フレックスタイム制を採用するためには、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
イ.フレックスタイム制を採用する場合には、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定に委ねるものではなく、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定に委ねる必要がある。
ウ.フレックスタイム制において時間外労働が成立した場合、法定労働時間を超えた時間については、36協定の締結・届出、割増賃金の支払が必要となる。
エ.フレックスタイム制において労使協定で単位期間当たりの総労働時間が定められた場合、労働者の総実労働時間がそれに不足した場合には、不足分は欠勤時間として扱われ、超過した場合の超過分は所定時間外労働時間として扱われる。
オ.フレックスタイム制の清算期間の上限を1か月から3か月(2019年4月1日から施行予定)に延長することは、労働者にとっても企業にとっても柔軟な働き方が可能になるため、フレックスタイム制の導入企業の増加が期待されている。

解答:ア フレックスタイム制

ア 誤 り。フレックスタイム制を採用するためには、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定を締結しなければならない(労働基準法32条の3)が、所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
イ 正しい。フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を定める必要があるものであること。その場合、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定にゆだねる必要があり、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定にゆだねるのでは足りないものであることとされている(労働基準法32条の3、昭63.1.1 基発1号)。
ウ 正しい。フレックスタイム制において時間外労働が成立した場合、法定労働時間を超えた時間については、36協定の締結・届出、割増賃金の支払が必要となる(労働基準法37条)。
エ 正しい。フレックスタイム制において労使協定で単位期間当たりの総労働時間が定められた場合、労働者の総実労働時間がそれに不足した場合には、不足分は欠勤時間として扱われ、超過した場合の超過分は所定時間外労働時間として扱われる。
オ 正しい。フレックスタイム制の清算期間の上限を1か月から3か月(2019年4月1日から施行予定)に延長すること(労働基準法32条の3第2号・3号)は、労働者にとっても企業にとっても柔軟な働き方が可能になるため、フレックスタイム制の導入企業の増加が期待されている。

問題14.
年次有給休暇に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
ア.使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならないが、判例は、全労働日には一般休暇日も含まれるとしている。
イ.使用者は、1年6か月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6か月を超えて継続勤務する日から起算した継続勤務年数1年ごとに1労働日を10労働日に加算して有給休暇を与えなければならないので、4年6か月以上継続勤務した労働者の年次有給休暇の付与日数は14日である。
ウ.判例は、勤務割による勤務体制がとられている事業場において、使用者が通常の配慮をしたとしても代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況になかった場合、使用者が代替勤務者を確保するための何らかの具体的行為をしなかったときには、使用者がなした時季変更権の行使は違法であるとしている。
エ.判例は、労働者が、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との事前の調整を経ることなく、始期と終期を特定して長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をした場合には、時季変更権の行使において、休暇の時期、期間の修正、変更に関し、使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ないとしている。
オ.年次有給休暇権の発生要件の1つである「継続勤務」は、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解されるため、この継続勤務期間の算定に当たっては、転籍型の出向をした場合や、休職とされていた者が復職した場合についても勤務年数を通算しなければならない。

解答:エ 年次有給休暇

ア 誤 り。判例は、「労働基準法39条1項にいう全労働日とは、1年の総暦日数のうち労働者が労働契約上労働義務を課せられている日数をいうものと解すべきである。(中略)一般休暇日は労働者が労働義務を課せられていない日に当るから、新就業規則中一般休暇日が全労働日に含まれるものとして年次有給休暇権の成立要件を定めている部分は労働基準法39条1項に違反し無効である」としている(エス・ウント・エー事件 最判平4.2.18)。
イ 誤 り。使用者は、年次有給休暇は雇入れの日から起算して、6か月間継続勤務し、その6か月間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続または分割した10日の有給休暇を与えなければならない(労働基準法39条1項)が、4年6か月以上継続勤務した労働者の年次有給休暇の付与日数は16日である(同条2項)。
ウ 誤 り。判例は、勤務割における勤務予定日につき年次有給休暇の時季指定がされた場合に、使用者が通常の配慮をしたとしても代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況になかったと判断できるときには、使用者において代替勤務者を確保するための配慮をしたとみる何らかの具体的行為をしなかったとしても、時季変更権の行使が違法となることはないとしている(電電公社関東電気通信局事件 最判平元.7.4)。
エ 正しい。判例は、労働者が、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との事前の調整を経ることなく、始期と終期を特定して長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をした場合には、時季変更権の行使において、休暇の時期、期間の修正、変更に関し、使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ないとしている(時事通信社事件 最判平4.6.23)。
オ 誤 り。年次有給休暇権の発生要件の1つである「継続勤務」は、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解されるため、この継続勤務期間の算定に当たっては、在籍型の出向をした場合や、休職とされていた者が復職した場合についても勤務年数を通算しなければならない(労働基準法39条1項、昭63.3.14 基発150号)。転籍出向の場合は、勤務年数を通算することができない。

問題15.
育児介護休業法における育児を行う労働者への支援措置に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.2017年3月に育児介護休業法5条が改正され、育児休業の再延長が最長2歳まで可能となった。
イ.事業主が労働者又はその配偶者が妊娠・出産したことを知ったときは、育児休業等の制度を個別に知らせる措置を講ずるよう努めなければならない。
ウ.事業主は、労働者を転勤させようとする場合、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。
エ.小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、1つの年度において、1人の子供につき、10労働日を限度とし、子の世話を行うための看護休暇を取得することができる。
オ.事業主は、労働者が育児介護休業法による育児休業、子の看護休暇を申し出たことを理由に、当該労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。

解答:エ 育児を行う労働者への支援措置

ア 正しい。1歳6か月以上2歳に達するまでの子を養育する労働者は、次のいずれにも該当すれば、子が2歳に達するまでの連続した1つの期間を特定して、育児休業の申出をすることができる。①自己または配偶者が子の1歳6か月到達日に育児休業をしている場合。②保育所等に入所を希望しているが、入所できないとき、または1歳6か月到達日以後に養育を行う予定だった配偶者が死亡、傷病等の事情により子を養育することが困難になった場合(育児介護休業法5条4項、同法施行規則7条)。
イ 正しい。事業主は、育児休業及び介護休業に関して、育児休業等の制度に関する事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置(労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し知らせる措置を含む)を講ずるよう努めなければならない(育児介護休業法21条1項)。
ウ 正しい。事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない(育児介護休業法26条)。
エ 誤 り。小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、1つの年度において、1人の子供につき、5労働日(2人以上の場合は10労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための看護休暇を取得することができる(育児介護休業法16条の2第1項)。
オ 正しい。事業主は、労働者が育児休業、子の看護休暇の申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(育児・介護休業法10条、16条の4)。

問題16.
労働安全衛生法における安全衛生管理体制に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働大臣が定める安全衛生管理者試験に合格した者の中から総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者等の指揮をさせるとともに、労働者の危険または健康障害を防止するための措置等を統括管理させなければならない。
イ.事業者は、法定の業種について、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、厚生労働大臣が定める安全管理者選任時研修を受講した者などの有資格者の中から安全管理者を選任し、その者に安全衛生業務のうち安全に係る技術的事項を管理させなければならない。
ウ.常時50人以上の労働者を使用する事業者は、衛生管理者免許等の免許保有者の中から衛生管理者を選任し、その者に安全衛生業務のうち、衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
エ.安全委員会は、労働者の危険の防止に関する重要事項を調査審議する委員会であるが、安全委員会を設けなければならない事業場においては、衛生委員会も設けなければならない。
オ.常時50人以上の労働者を使用する事業場において、事業者は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者の中から産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならない。

解答:ア 安全衛生管理体制

ア.誤 り。事業者は、政令で定める規模(建設業・運送業等は100人以上、製造業等は300人以上、その他の業種は1000人以上)の事業場ごとに、「総括安全衛生管理者」を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者等の指揮をさせるとともに、労働者の危険または健康障害を防止するための措置等(労働安全衛生法10条各号に定める措置等)を統括管理させなければならない(労働安全衛生法10条1項、令2条)。総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならないと規定されているが、資格については、特段の定めが無い(同条2項)。
イ 正しい。事業者は、法定の業種について、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、厚生労働大臣が定める安全管理者選任時研修を受講した者等の有資格者の中から安全管理者を選任し、その者に安全衛生業務のうち安全に係る技術的事項を管理させなければならない(労働安全衛生法11条1項、令3条)。
ウ 正しい。常時50人以上の労働者を使用する事業者は、衛生管理者免許などの免許等保有者の中から衛生管理者を選任し、その者に安全衛生業務のうち、衛生に係る技術的事項を管理させなければならない(労働安全衛生法12 条1項、令4条)。
エ.正しい。安全委員会を設けるべき事業場は、業種の区分に応じ、常時50人以上、又は、常時100人以上の労働者を使用する事業場である。 他方、衛生委員会を設けるべき事業場は、業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場である。したがって、安全委員会を設けなければならない事業場においては、必然的に、衛生委員会を設けなければならないこととなる(労働安全衛生施行令8条・9条)。
オ 正しい。常時50人以上の労働者を使用する事業場において、事業者は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者の中から産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならない(労働安全衛生法13 条1項・2項、令5条)。

問題17.
ストレスチェックに関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.衛生委員会等において、ストレスチェック制度の実施方法等について調査審議を行い、その結果を踏まえ、事業者がその事業場におけるストレスチェック制度の実施方法等を規程として定める。
イ.事業者は、ストレスチェックを受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、自ら遅滞なく、その結果を本人に通知しなければならない。
ウ.事業者は、ストレスチェックの結果により「医師による面接指導が必要」とされた労働者から申出があったときは、遅滞なく、面接指導を行わなければならない。
エ.検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務に従事してはならない。

解答:イ ストレスチェック

ア.正しい。衛生委員会等において、ストレスチェック制度の実施方法等について調査審議を行い、その結果を踏まえ、事業者がその事業場におけるストレスチェック制度の実施方法等を規程として定める(労働安全衛生規則22条10号、ストレスチェック指針)。
イ 誤 り。ストレスチェックを受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該検査を行った医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない(労働安全衛生法66条の10第2項)。
ウ.正しい。事業者は、ストレスチェックの結果により「医師による面接指導が必要」とされた労働者から申出があったときは、遅滞なく、面接指導を行わなければならない(労働安全衛生法66条の10第3項、労働安全衛生規則52条の16)。
エ.正しい。検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務に従事してはならない(労働安全衛生規則52条の10第2項)。

問題18.
労働基準法における労働者の人権保障に関する以下のアからオまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
イ.使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならないが、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。
ウ.使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
エ.何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
オ.使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない。

解答:ウ 労働者の人権保障

ア.正しい。使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない(労働基準法5条)。
イ.正しい。使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならないが、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる(労働基準法7条)。
ウ.誤 り。使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない(労働基準法4条)。男性との差別的取扱いを禁止しているのは、賃金のみである。
エ.正しい。何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない(労働基準法6条)。
オ.正しい。使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない(労働基準法3条)。

問題19.
障害者雇用促進法に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.障害者には、精神障害があるため長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者が含まれるが、精神障害に発達障害は含まれない。
イ.事業主は、賃金の決定・教育訓練の実施・福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由に障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない。
ウ.障害者である労働者を解雇しようとする事業主は、労働者の責めに帰すべき理由により解雇する場合その他厚生労働省令で定める場合を除き、その旨を速やかに公共職業安定所長に届け出なければならない。
エ.平成30年4月1日から、民間企業における障害者の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられた。

解答:ア 障害者雇用促進法

ア 誤 り。障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう(障害者雇用促進法2条1号)。
イ 正しい。事業主は、賃金の決定・教育訓練の実施・福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由に障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない(障害者雇用促進法35条)。
ウ 正しい。障害者である労働者を解雇しようとする事業主は、労働者の責めに帰すべき理由により解雇する場合その他厚生労働省令で定める場合を除き、その旨を速やかに公共職業安定所長に届け出なければならない(障害者雇用促進法81条1項、則42条)
エ 正しい。平成30年4月1日から、民間企業における障害者の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられた(障害者雇用促進法43条2項、令9条)。2018年4月1日~2021年3月31日(2.2%)、2021年4月1日~(2.3%)

問題20.
労働者派遣法における派遣元事業主の講ずべき措置に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
ア.労働者派遣法は、派遣元事業主がその雇用する労働者であって、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、当該労働者にその旨を明示しなければならないと規定しているが、その同意の取得までは求めていない。
イ.派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとの就業状況を記録して5年間保存しなければならない。
ウ.派遣元事業主は、派遣先の事業所における同一の組織単位の業務について継続して3年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者については、就業の機会を確保するなど、一定の措置を講じなければならない。
エ.労働者派遣法は、常時10人以上の派遣労働者を雇用する派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有する者として、厚生労働省令で定める基準に適合する者の中から派遣元責任者を選任しなければならないと規定している。

解答:ウ 派遣元事業主の講ずべき措置

ア 誤 り。派遣元事業主は、その雇用する労働者であって、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨(新たに紹介予定派遣の対象としようとする場合にあっては、その旨を含む)を明示し、その同意を得なければならない(労働者派遣法32条2項)。
イ 誤 り。派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとの就業状況を記録して3年間保存しなければならない(労働者派遣法37 条)。
ウ 正しい。派遣元事業主は、派遣先の事業所における同一の組織単位の業務について継続して3年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者については、就業の機会を確保するなど、一定の措置を講じなければならない(労働者派遣法30条2項)。
エ 誤 り。派遣元事業主は、派遣就業に関し、所定の事項を行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、未成年者を除き、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有する者として、厚生労働省令で定める基準に適合するもののうちから派遣元責任者を選任しなければならない(労働者派遣法36条)。従って、常時10人以上の派遣労働者を雇用する必要はなく、1人でも派遣労働者を雇用する場合は、派遣元責任者を選任しなければならない。

問題21.
労働協約に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.有効期間の定めのない労働協約または期間経過の後自動延長されている労働協約については、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によって90日前までに相手方に予告して、解約することができる。
イ.労働協約は、原則として、3年を超える有効期間の定めをすることができないが、誤って3年を超える有効期間の定めをした労働協約は、3年の有効期間の定めをしたものとみなされる。
ウ.労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効となり、この場合において無効となった部分は、労働協約の定めるところによる。
エ.一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、原則として、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、都道府県労働局長は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をすることができる。

解答:エ 労働協約

ア 正しい。有効期間の定めのない労働協約または期間経過の後自動延長されている労働協約については、当事者の一方が、90日前までに予告をすることで解約ができる(労働組合法15条3項・4項)
イ 正しい。労働協約には、3年をこえる有効期間の定めをすることができない(労働組合法15条1項)が、誤って3年を超える有効期間の定めをした労働協約は、3年の有効期間の定めをしたものとみなされる(同条2項)。
ウ 正しい。労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、労働協約の定めるところによる。労働契約に定めがない部分についても、同様とする(労働組合法16条)。
エ 誤 り。一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をすることができる(労働組合法18条)。つまり、決定権は厚生労働大臣又は都道府県知事にある。

問題22.
雇用保険法の求職者給付における基本手当に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、待期期間の満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、原則として、基本手当が支給されない。
イ.基本手当は、被保険者が失業した場合において、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上であったときに支給される。
ウ.基本手当は、原則として、離職の日の翌日から起算して1年の期間内の失業している日について、所定給付日数を限度として支給される。
エ.特定受給資格者(会社都合により離職した者など)の場合、基本手当の所定給付日数は、受給資格者の離職日における年齢にかかわらず、算定基礎期間によって定められている。

解答:エ 雇用保険法の求職者給付

ア 正しい。被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、待期期間(雇用保険法21条)の満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、原則として基本手当が支給されない(雇用保険法33条1項)。
イ 正しい。基本手当は、被保険者が失業した場合において、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上であったときに支給される(雇用保険法13条1項)。
ウ 正しい。基本手当は、原則として、離職の日の翌日から起算して1年の期間内の失業している日について、所定給付日数を限度として支給される(雇用保険法20条1項)。
エ 誤 り。特定受給資格者の場合、基本手当の所定給付日数は、受給資格者の離職日における年齢、離職の理由と算定基礎期間によって定められている(雇用保険法23条)。

問題23.
中小企業退職金共済法に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
ア.サービス業に属する常時雇用する従業員の数が200人、かつ、資本金の額が1億円の法人である事業主は、原則として、中小企業退職金共済法の「中小企業者」である。
イ.1か月でも掛金の納付期間を有する被共済者が退職したときは、その者(退職が死亡によるものであるときはその遺族)に独立行政法人勤労者退職金共済機構から退職金が支給される。
ウ.掛金月額は、被共済者1人につき、5,000円(短時間労働被共済者は2,000円)以上30,000円以下とされている。
エ.中小企業退職金共済制度において、掛金は、事業主と被共済者である労働者で半分ずつ負担する。

解答:ウ 中小企業退職金共済法

ア.誤 り。サービス業に属する事業を主たる事業として営む事業主であって、常時雇用する従業員の数が100人以下のもの及び資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の法人である事業主は、原則として、中小企業退職金共済法の「中小企業者」である(中退共法2条1項3号)。
イ.誤 り。掛金の納付月数が12カ月未満の場合には、退職金を支給しない(中小企業退職金共済法10条1項)。
ウ.正しい。掛金月額は、被共済者1人につき、5,000円(短時間労働被共済者は2,000円)以上30,000円以下とされている(中小企業退職金共済法4条2項)。
エ.誤 り。退職金共済契約は、事業主が独立行政法人勤労者退職金共済機構に掛金を納付することを約し、機構がその事業主の雇用する従業員の退職について、退職金を支給することを約する契約である(中小企業退職金共済法2条3項)。つまり、掛金は、事業主が全額負担する。

問題24.
外国人労働者に関する以下のアからエまでの記述のうち、最も適切ではないものを1つ選びなさい。
ア.平成29年4月には、「日本版高度外国人材グリーンカード」と呼ばれる高度専門職に対する永住許可の滞在要件を緩和する制度が導入され、同年9月からは外国人の在留資格として新たに「介護」が加わった。
イ.雇用対策法では、常時10人以上の外国人労働者を使用する事業主に対し、新たに外国人を雇い入れた場合や雇用する外国人が離職した場合に、その者の氏名や在留資格、在留期間等について「雇用状況の届出」を厚生労働大臣に届け出ることを義務づけているが、外国人を雇用する事業主がこの届出を怠り、または虚偽の届出をした場合には、30万円以下の罰金に処せられる。
ウ.事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付しなければならない。
エ.外国人が日本国内で働くためには、就労可能な在留資格を持っていることが必要となるが、就労可能な在留資格を持たずに働いている不法就労の場合においては、その外国人本人だけではなく、雇った事業主も懲役若しくは罰金に処される可能性がある。

解答:イ 外国人労働者

ア 正しい。平成29年4月には、「日本版高度外国人材グリーンカード」と呼ばれる高度専門職に対する永住許可の滞在要件を緩和する制度の導入や、同年9月からは新たに「介護」の在留資格が開始された(出入国管理及び難民認定法2条の2・別表第1を参考)。
イ 誤 り。雇用対策法では、すべての事業主に対し、新たに外国人を雇い入れた場合や雇用する外国人が離職した場合に、その者の氏名や在留資格、在留期間等について「雇用状況の届出」を厚生労働大臣に届け出ることを義務づけている(雇用対策法28条1項)が、外国人を雇用する事業主がこの届出を怠り、または虚偽の届出をした場合には、30万円以下の罰金に処せられる(同法40条1項)。
ウ 正しい。事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付しなければならない(雇用対策法9条、外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針)。
エ 正しい。外国人の方が日本国内で働くには、就労可能な在留資格を持っていることが必要となるが、就労可能な在留資格を持たずに働いている不法就労の場合には、その外国人本人だけでなく(出入国管理及び難民認定法74条の6)、雇った事業主も3年以下の懲役若しくは3百万円以下の罰金に処される可能性がある(同法74条の6の2を参照)。

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