第2章 ワーク・ライフ・バランスの実現と関連事項
3本の矢(旧・3本の矢)
2012年末に発足した安倍内閣は、「デフレからの脱却」と「富の拡大」を掲げて、①「大胆な金融政策」(第1の矢)、②「機動的な財政政策」(第2の矢)、③「投資を喚起する成長戦略」(第3の矢)からなる経済財政政策を「3本の矢」と呼び、日本経済の再生を目指すとした。
①「大胆な金融政策」
日本銀行と連携した金融緩和により市場に資金を供給し、企業・家計に定着したデフレマインドを払拭するものであり、一定の効果が現れた。
②「機動的な財政政策」
デフレ脱却をよりスムーズに実現するため、約10兆円規模の経済対策予算を編成し、公共事業の拡大などにより需要の創出を狙い、これも一定の効果が現れた。
③ 投資を喚起する成長戦略
アベノミクスの本丸とされ、第1の矢・第2の矢に加えて、規制緩和等によって、企業や個人が真の実力を発揮できる社会を創り、持続的な経済成長(富の拡大)を実現するというものである。
そして、従来の3本の矢を強化・拡充するものとして、2016年9月に「新・3本の矢」が発表され、以後は「新・3本の矢」が経済財政政策の柱となった。