【働き方検定】労働法務士認定試験

労働法務士認定試験 サンプル問題

サンプル問題は随時更新していく予定です。

問題1.
労働三権に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.団結権には、団結しない自由(消極的団結権)は含まれない。
イ.団結権は結社の自由と原理的に同じものである。
ウ.団体交渉権は、併存する複数組合の中の少数組合についても保障されている。
エ.団体行動権は、争議権、組合活動権の2種類の権利を内容としている。

解答:イ

本問は、労働三権に関する理解を問うものである。

憲法28条は、団結権、団体交渉権、団体行動権という、労働三権(労働基本権)を保障している。結社の自由は、憲法21条1項で規定する自由権的基本権である。したがって、団結権と結社の自由は原理的に同じものではない。


問題2.
現行の高年齢者雇用安定法に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.この法律において「高年齢者」とは、60歳以上の者をいう。
イ.この法律における「中高年齢者」とは、45歳以上の者をいう。
ウ.事業主が定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない。
エ.65歳未満の定年の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、高年齢者雇用確保措置を講じなければならない。

解答:ア

本問は、現行の高年齢者雇用安定法についての理解を問うものである。

現行の高年齢者雇用安定法で定める「高年齢者」は、正しくは「55歳」である。

この法律において「高年齢者」とは、厚生労働省令で定める年齢以上の者をいう。高年齢者雇用安定法2条1項の厚生労働省令で定める年齢は、55歳とする。

(高年齢者雇用安定法2条1項、同法施行規則1条)


問題3.
労働契約の成立要件に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.使用者が労働者を採用するときは、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければならない。
イ.労働者と使用者が労働契約を結ぶ場合に、使用者が、合理的な内容の就業規則を労働者に周知させていた場合には、就業規則で定める労働条件が労働者の労働条件になる。
ウ.契約期間に定めのある労働契約の期間は、原則として上限は3年であり、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約については、上限が6年とされている。
エ.使用者は有期労働契約によって労働者を雇い入れる場合には、その目的に照らして、契約期間を必要以上に細切れにしないよう配慮する義務がある。

解答:ウ

本問は、労働契約の成立要件についての理解を問うものである。

契約期間の定めのある労働契約(有期労働契約)の期間は、原則として上限は3年である(労働基準法14条1項)。ただし、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約については、上限が5年となる。

(労働基準法14条1項1号・2号)


問題4.
現行の労働基準法上の人権擁護規定に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.労働基準法によれば、使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならず、この規定に違反した場合は刑罰が科される。
イ.労働基準法によれば、使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせてはならないが、「貯蓄の契約」をさせるとは、労働者に使用者以外の第三者と貯蓄の契約をさせることをいう。
ウ.労働基準法によれば、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない。労働者の不法行為によって使用者に生じた損害についても賠償請求をすることが禁止されている。
エ.労働基準法によれば、労働者の公民権行使の保障が同法によりなされており、公民権を行使し、または公の職務を執行するために必要な時間を労働者が請求した場合、権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

解答:ウ

本問は、不当な人身拘束の防止・強制労働の禁止についての理解を問う問題である。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない(労働基準法16条)が、労働者の債務不履行又は不法行為によって使用者に損害が発生した場合に、現実に発生した損害について賠償請求することは禁止されていない。


問題5.
労働基準法上の人権擁護規定に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならず、これを「中間搾取の排除」という。
イ.「他人の就業に介入」するとは、労働関係の当事者間に第三者が介在して、その労働関係の開始、存続等について媒介又は斡旋をなす等その労働関係について、何らかの因果関係を有する関与をなすことをいう。
ウ.中間搾取の排除に反する行為に対しては罰則が適用される。
エ.人材派遣業による派遣は、「法律に基づいて許される場合」に該当し、違法な中間搾取とならない。

解答:エ

本問は、中間搾取の排除についての理解を問うものである。

エは「法律に基づいて許される場合」に該当するという点が誤り。

労働基準法第6条では「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。(中間搾取の排除)」としている。しかし、人材派遣業による派遣は、労働契約関係が派遣元との間に存在し、派遣先との間には存在しないため、派遣元が第三者として労働関係に介入したとはいえない。よって、違法な中間搾取に該当しないとされている。


問題6.
有期契約労働者における期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」は、同一の使用者と労働契約を締結している有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止させるルールである(労働契約法20条)。
イ.有期契約労働者は、無期契約労働者(正社員)と同様な、ないしは類似の職務内容にありながら、無期契約労働者の労働条件とは格差が設けられる場合が多く見られたため、労働契約法20条は、このような労働条件の格差に対処するための規定と言える。
ウ.「労働条件」(労働契約法20条)には、災害補償、服務規律、教育訓練等の待遇が含まれるが、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについては含まれない。
エ.労働契約法20条により不合理とされた労働条件の定めは無効となり、基本的には、無期契約労働者と同じ労働条件が認められる。

解答:ウ

本問は、期間の定めのあることによる不合理な労働条件の禁止についての理解を問うものである。

労働条件には賃金や労働時間等の狭義の労働条件だけでなく、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練など、労働者に対する一切の待遇が含まれ、とりわけ、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、職務の内容、当該職務の内容および配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して、特段の事情がない限り、合理的とは認められないと解されている。


問題7.
派遣先の事業主による直接雇用に向けての諸義務に関する【問題文A】から【問題文C】について、以下のアからエまでの記述のうち正しいものを1つ選びなさい。
【問題文A】派遣先は、組織単位ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して1年以上の期間同一の特定有期雇用派遣労働者に係る役務の提供を受けた場合において、引き続き同一業務に従事させるために労働者を雇い入れようとするときは、当該特定有期雇用派遣労働者を雇い入れなければならない。
【問題文B】派遣先は、その同一の事業所において派遣元事業主から1年以上継続して同一の派遣労働者を受け入れている場合において、当該事業所における労働について通常の労働者の募集を行なうときは、当該募集に係る事項を当該派遣労働者に周知しなければならない。
【問題文C】派遣先が労働者派遣の禁止業務に派遣を受け入れた場合やいわゆる偽装請負の場合、派遣先は、違法派遣に該当することを知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなかったとき(善意・無過失)を除き、受け入れている派遣労働者について直接雇用の申込みをしたものとみなされる。
ア.Aのみ誤っている
イ.Bのみ誤っている
ウ.Cのみ誤っている
エ.すべて正しい

解答:ア

本問は、派遣先の事業主による直接雇用に向けての諸義務についての理解を問うものである。

問題文Aは義務ではなく努力義務である。

派遣先は、組織単位ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して1年以上の期間同一の特定有期雇用派遣労働者に係る役務の提供を受けた場合において、引き続き同一業務に従事させるために労働者を雇い入れようとするときは、当該特定有期雇用派遣労働者を雇い入れるように努めなければならないとしている。

(労働者派遣法40条の4)


問題8.
最低賃金法に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.「最低賃金制度」は、国が、最低賃金法に基づいて賃金の最低額を定めて、使用者に対してその遵守を強制する制度である。
イ.最低賃金には、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金という2種がある。
ウ.最低賃金額より低い賃金を労働者・使用者双方の合意の上で定めても法律によって無効とされ、再度両者間での合意をすることを要する。
エ.地域別最低賃金の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処せられる。

解答:ウ

本問は、最低賃金法についての理解を問うものである。

仮に最低賃金額より低い賃金を労働者・使用者双方の合意の上で定めても法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされる。

(最低賃金法4条2項、最低賃金法40条)


問題9.
現行の労働安全衛生法における健康診断に関する【問題文A】から【問題文C】について、以下のアからエまでの記述のうち正しいものを1つ選びなさい。
【問題文A】事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならないが、これに違反した場合の罰則規定は存在しない。
【問題文B】労働者は、事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。
【問題文C】労働安全衛生法に基づく健康診断の種類として、一般健康診断及び特殊健康診断があり、事業者が常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に行う医師による健康診断は、前者に含まれる。
ア.Aのみ誤っている。
イ.Bのみ誤っている。
ウ.Cのみ誤っている。
エ.すべて正しい。

解答:ア

本問は、労働安全衛生法における健康診断についての理解を問うものである。

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならず、これに違反した場合50万円以下の罰金に処せられる。

(労働者安全衛生法66条1項、120条1号)


問題10.
現行の労災保険法等における労働災害に関する以下のアからエまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病又は死亡をいい、業務上とは業務と傷病等との間に一定の因果関係があることを指す。
イ.通勤災害とは、労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡をいうが、移動の経路を逸脱し、または中断した場合には、その間及びその後の移動は通勤にあてはまらない。
ウ.仕事によるストレス(業務による心理的負荷)により発病した精神障害についての労災請求が増えており、それらが労災認定されることが増えている。
エ.業務上の疾病の認定に関して、厚生労働省は「心理的負荷による精神障害の認定基準」を策定しているが、その認定要件の中に、業務以外の心理的負荷や固体側要因により発病したとは認められないことという要件は存在しない。

解答:エ

本問は、現行の労災保険法等における労働災害についての理解を問うものである。

心理的負荷による精神障害の認定基準第2認定要件3は、業務上の疾病にあたるか否かの判断につき、業務以外の心理的負荷及び個体的要因により対象疾病を発病したとは認められないことを要件としている。

(厚生労働省 『心理的負荷による精神障害の認定基準 基発1226第1号』)


問題11.
労働基準法の総則に関する以下のアからオまでの記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
ア.労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まない。
イ.労働基準法第3条が差別禁止事由として掲げている「信条」とは、政治的信条や思想上の信念を意味し、そこには宗教上の信仰は含まれない。
ウ.労働基準法第4条は、賃金についてのみ女性であることを理由とする男性との差別的取扱いを禁止したものであり、その他の労働条件についての差別的取扱いについては同条違反の問題は生じない。
エ.労働基準法第7条は、労働者が労働時間中に、公民権を行使するために必要な時間を請求した場合には、使用者はこれを拒んではならないとし、また、当該時間を有給扱いとすることを求めている。
オ.労働基準法に定める「使用者」とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をする管理監督者以上の者をいう。

解答:ウ

ア.誤 り。安全衛生、寄宿舎に関する条件は「含まない」が誤りで、正しくは「含まれる」である(法1条1項、S63.3.14 基発150号)。(H25-5)
イ.誤 り。信条には、宗教上の信仰も含まれる(法3条 S22.9.13 発基17号)。
ウ.正しい。男子労働者に比較して一般的に低位であった女子労働者の社会的、経済的地位の向上を賃金に関する差別待遇の廃止という面から、実現しようとするものである。
従って、賃金以外の労働条件についての差別的取扱いについては法4条違反の問題は生じない(法4条、S22.9.13 発基17号)。
エ.誤 り。「当該時間を有給扱いとすることを求めている」が誤りである。公民権行使の保障について、「本条の規定は、給与に関しては何等触れていないから、有給たると無給たるとは、当事者の自由に委ねられた問題である」とされている(法7条 S22.11.27 基発399号)。
オ.誤 り。「管理監督者以上の者」が誤りで、正しくは「すべての者」である(法10条)。

(社労士試験過去問 H24-4より、一部改編)


問題.12
労働基準法の時間等に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、日曜日から金曜日までの間に、所定どおり労働した後、土曜に6時間の労働をさせた場合は、そのうちの2時間が法定労働時間を超えた労働になる。
b.1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、あらかじめ水曜の休日を前日の火曜に、火曜の労働時間をその水曜に振り替えて9時間の労働をさせたときは、水曜の労働はすべて法定労働時間内の労働になる。
c.労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働基準監督署長の許可を受けた場合に限り、一斉に与えなくてもよい。
d.労働基準法第35条に定める「一回の休日」は、24時間継続して労働義務から解放するものであれば、起算時点は問わないのが原則である。
e.休日労働が8時間を超え、深夜業に該当しない場合の割増賃金は、休日労働に時間外労働の割増率を合算しなくてもよい。
  • ア. aとb
  • イ. bとc
  • ウ. cとd
  • エ. dとe
  • オ. aとe

解答:オ

a.正しい。週40時間を超えた2時間が時間外労働となる(法32条の2第1項)。
b.誤 り。水曜は、所定労働時間が設定されていない日であるので、8時間を超えて労働した1時間が時間外労働となる。従って、水曜日の労働のすべてが法定労働時間内の労働になるのではない(法32条の2第1項、法35条、S63.3.14 基発150号、H6.3.31基発181号)。
c.誤 り。休憩時間(法34条2項、則31条)
・原則:一斉に付与
・例外:労使協定の締結があれば適用除外
・官公署、接客娯楽業、坑内労働など所定の業種については、一斉付与の適用除外となっている。
d.誤 り。休日とは、暦日を指し、午前0時から午後12時までの休業と解す」とされている。単に連続24時間の休業では休日とされない(法35条1項、S23.4.5 基発535号)。
e.正しい。「協定において休日の労働時間を8時間と定めた場合、割増賃金については8時間を超えても深夜業に該当しない限り3割5分(休日労働)増で差し支えない」とされている(法37条、H6.3.31 基発181号)。改編

(社労士試験過去問H29-1より、一部改編)


問題.13
労働基準法の適用に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者については、法人に使用される労働者であり労働基準法が適用される。
b.何ら事業を営むことのない大学生が自身の引っ越しの作業を友人に手伝ってもらい、その者に報酬を支払ったとしても、当該友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しないので、当該友人に労働基準法は適用されない。
c.株式会社の取締役であっても業務執行権又は代表権を持たない者は、工場長、部長等の職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて労働基準法第9条に規定する労働者として労働基準法の適用を受ける。
d.同居の親族は、事業主と居住及び生計を一にするものとされ、その就労の実態にかかわらず労働基準法第9条の労働者に該当することがないので、当該同居の親族に労働基準法が適用されることはない。
e.工場が建物修理の為に大工を雇う場合、そのような工事は一般に請負契約によることが多く、また当該工事における労働は工場の事業本来の目的の為のものでもないから、当該大工が労働基準法第9条の労働者に該当することはなく、労働基準法が適用されることはない。
  • ア. aとb
  • イ. bとc
  • ウ. cとd
  • エ. dとe
  • オ. aとe

解答:イ

a.誤 り。労働基準法において、「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいうが、家事使用人については、適用除外と規定されている。ただし、個人家庭における家事を事業として請負う者に雇われて、その指揮命令のもとで家事一般に従事する者には労働基準法が適用される(法9条、法116条、H11.3.31 基発169号)。
b.正しい。大学生は事業を営んでいないため、引っ越しの作業において友人に報酬を支払ったとしても、当該友人は、事業又は事務所に使用される者ではないので、法9条の「労働者」に該当せず、労働基準法は適用されない。
c.正しい。法人のいわゆる重役で業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、その限りにおいて法9条に規定する労働者である」とされている。(法9条、S23.3.17 基発461号)
d.誤 り。同居の親族は、事業主と居住及び生計を一にするものであり、原則として労働基準法上の労働者には該当しないが、同居の親族であっても、常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において一般事務又は現場作業等に従事し、かつ、次の(1)及び(2)の条件を満たすものについては、一般に私生活面での相互協力関係とは別に独立した労働関係が成立しているとみられるので、労働基準法上の労働者と取り扱うものとする。
(1)業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。
(2)就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること(法116条2項、S54.4.2 基発153号)。
e.誤 り。「農家又は工場がその事業経営上必要な建物その他の施設を大工に修理させる場合は、一般に請負契約によることが多いが、請負契約によらず,雇用契約によりその事業主と大工との間に使用従属関係が認められる場合は、法第9条の労働者であるから、労働基準法の適用を受ける」とされている(法9条、S23.12.25 基収4281号)。

(社労士試験過去問H29-2より)


問題.14
労働基準法で定める労働契約等に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.使用者は、労働者が高度の専門的知識等を有していても、当該労働者が高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、契約期間を5年とする労働契約を締結してはならない。
b.労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と相違しているため、労働者が労働契約を解除した場合、当該解除により労働契約の効力は遡及的に消滅し、契約が締結されなかったのと同一の法律効果が生じる。
c.使用者は、労働者の身元保証人に対して、当該労働者の労働契約の不履行について違約金又は損害賠償額を予定する保証契約を締結することができる。
d.労働者が、実質的にみて使用者の強制はなく、真意から相殺の意思表示をした場合でも、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。
e.使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。
  • ア. aとb
  • イ. bとc
  • ウ. cとd
  • エ. dとe
  • オ. aとe

解答:オ

a.正しい。高度の専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約については、当該労働者の有する高度の専門的知識等を必要とする業務に就く場合に限って契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することが可能となるものであり、当該高度の専門的知識を必要とする業務に就いていない場合の契約期間の上限は3年である(法14条1項1号、H15.10.22 基発1022001号)。
b.誤 り。「遡及的に消滅し」が誤りで、正しくは「将来に向かって消滅する」である(法15条2項)。
c.誤 り。賠償予定の禁止の適用は、労働者本人に限定されていない。従って、労働者の親権者や身元保証人に対しても、当該規定が適用される(法16条)。
d.誤 り。設問の場合、使用者は前貸の債権と賃金を相殺することができる。前借金相殺の禁止の規定は、「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない」と定めており、労働者が自己の意思に基づいてする相殺まで禁止するものではない(法17条)。
e.正しい。労働基準法第18条第5項は、「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない」と規定されている(法18条5項)。改編

(社労士試験過去問H28-2より、一部改編)


問題.15
労働基準法で定める労働契約等に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.期間が2か月の労働契約(あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を3回更新し、4回目に更新しないこととしようとする使用者は、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
b.労働基準法第56条の最低年齢違反の労働契約のもとに就労していた児童について、その違反を解消するために当該児童を解雇する場合には、30日分以上の平均賃金を支払い、即時に解雇しなければならない。
c.満60歳以上で薬剤師の資格を有する者が、ある事業場で3年の期間を定めた労働契約を締結して薬剤師以外の業務に就いていた場合、その者は、民法第628条の規定にかかわらず、労働基準法第137条の規定に基づき、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
d.使用者は、「表彰に関する事項」について、それに関する定めをする場合であっても、労働契約の締結に際し、労働者に対して、労働基準法第15条の規定に基づく明示をする必要はない。
e.労働者によるある行為が「労働者の責に帰すべき事由」に該当する場合において、使用者が即時解雇の意思表示をし、当日、所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定の申請をして翌日その認定を受けたときは、その即時解雇の効力は、当該認定のあった日に発生すると解されている。
  • ア. aとb
  • イ. bとc
  • ウ. cとd
  • エ. dとe
  • オ. aとe

解答:ア

a.正しい。使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない(法14条2項、「有期労働契約の締結,更新及び雇止めに関する基準」 H15.10.22 厚生労働省告示第357号)。
b.正しい。労働基準法第56条の最低年齢違反を解消するために当該児童を解雇する場合には、30日分以上の平均賃金を支払い、即時に解雇しなければならない(法20条、S23.10.18 基収3102号)。改編
c.誤 り。満60歳以上である場合には、いつでも退職することはできない。期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者は、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。ただし、次のものは除かれている。
1.専門的知識等であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
2.満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く)(法14条1項、法附則137条)
d.誤 り。「表彰に関する事項」は、相対的明示事項であり、定めをする場合には、明示する必要がある(法15条1項、則5条1項10号)。
e.誤 り。「認定のあった日」が誤りで、正しくは「即時解雇の意思表示をした日」である(法20条3項、S63.3.14 基発150号)。(H24-3の肢イ)

(社労士試験過去問H24-2より、一部改編)


問題16.
労働基準法第12条で定める平均賃金の計算に関する以下のアからオまでの記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
ア.平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通勤手当及び家族手当は含まれない。
イ.労働者が労働基準法第7条に基づく公民権の行使により休業した期間は、平均賃金の算出にかかる「日数」及び「賃金の総額」に含めない。
ウ.労働災害により休業していた労働者がその災害による傷病が原因で死亡した場合、使用者が遺族補償を行うに当たり必要な平均賃金を算定すべき事由の発生日は、当該労働者が死亡した日である。
エ.賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば7月31日に算定事由が発生したときは、なお直前の賃金締切日である6月30日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。
オ.賃金締切日が、基本給は毎月月末、時間外手当は毎月20日とされている事業場において、例えば6月25日に算定事由が発生したときは、平均賃金の起算に用いる直前の賃金締切日は、基本給、時間外手当ともに基本給の直前の締切日である5月31日とし、この日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

解答:エ

ア.誤 り。通勤手当及び家族手当は「含まれない」が誤りで、正しくは「含まれる」である(法12条4項、S22.12.26 基発573号)。
イ.誤 り。「公民権の行使により休業した期間」については除外されない。(法12条3項)(平均賃金の算出にかかる控除事由)改編
1. 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
2. 産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間
3. 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
4. 育児介護休業法による育児休業若しくは介護休業をした期間
5. 試みの使用期間
ウ.誤 り。「当該労働者が死亡した日」が誤りで、正しくは「死傷の原因たる事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日」である(法12条1項、則48条、S25.10.19 基収2908号)。
エ.正しい。「これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間」とは、算定事由発生日の前日から遡る3箇月間とされている。また、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する(法12条1、2項)。
オ.誤 り。賃金毎に賃金締切日が異なる場合、「直前の賃金締切日は、それぞれ各賃金ごとの賃金締切日である」とされている。設問の場合、直前の締切日は、基本給は5月31日、時間外手当は6月20日となり、それぞれの日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる(法12条2項、S26.12.27 基収5926号)。

(社労士試験過去問H27-2より、一部改編)


問題17.
労働基準法に定める解雇に関する以下のアからオまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.就業規則に定めた定年制が労働者の定年に達した日の翌日をもってその雇用契約は自動的に終了する旨を定めたことが明らかであり、かつ、従来この規定に基づいて定年に達した場合に当然労働関係が終了する慣行になっていて、それが従業員にも徹底している場合には、その定年による雇用関係の終了は解雇ではないので、労働基準法第19条第1項に抵触しない。
イ.労働基準法第20条に定める解雇の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
ウ.試みの使用期間中の労働者を、雇入れの日から起算して14日以内に解雇する場合は、解雇の予告について定める労働基準法第20条の規定は適用されない。
エ.労働基準法第19条第1項に定める産前産後の女性に関する解雇制限について、同条に定める除外事由が存在しない状況において、産後8週間を経過しても休業している女性の場合については、その8週間及びその後の30日間が解雇してはならない期間となる。
オ.平成26年9月30日の終了をもって、何ら手当を支払うことなく労働者を解雇しようとする使用者が同年9月1日に当該労働者にその予告をする場合は、労働基準法第20条第1項に抵触しない。

解答:オ

ア.正しい。「就業規則に定める定年制が労働者の定年に達した翌日をもってその雇用契約は自動的に終了する旨を定めたことが明らかであり、且つ従来この規定に基づいて定年に達した場合に当然雇用関係が消滅する慣行となっていて、それを従業員に徹底させる措置をとっている場合は、解雇の問題を生ぜず、したがってまた法第19条の問題を生じない」とされている(法19条1項、S26.8.9 基収3388号)。
イ.正しい。使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない(法20条1項)が、予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる(法20条2項)。
ウ.正しい。試みの使用期間中の者が、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、解雇予告の規定が適用される(法21条)。
エ.正しい。産前産後の女性に係る「その後30日間」の起算日は、産後8週間を経過した日又は産後6週間経過後その請求により就労させている労働者については、その就労を開始した日である(法19条1項)。
オ.誤 り。原則として、使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならないが、解雇の予告は、翌日起算であり、解雇予告をした当日は、30日のうちに含まれない。従って、何ら手当を支払うことなく9月30日の終了をもって解雇しようとする場合には、8月31日に解雇の予告をする必要がある(法20条1項)。

(社労士試験過去問H26-2より)


問題18.
労働基準法に定める労働時間等に関する以下のアからオまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア.労働基準法上の労働時間に関する規定の適用につき、労働時間は、同一事業主に属する異なった事業場において労働する場合のみでなく、事業主を異にする事業場において労働する場合も、通算される。
イ.労働者が使用者の実施する教育、研修に参加する時間を労働基準法上の労働時間とみるべきか否かについては、就業規則上の制裁等の不利益な取扱いの有無や、教育・研修の内容と業務との関連性が強く、それに参加しないことにより本人の業務に具体的な支障が生ずるか否か等の観点から、実質的にみて出席の強制があるか否かにより判断すべきものである。
ウ.労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1カ月単位の変形労働時間制については、いわゆる労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより同条記載の一定事項について定めをすることが要件とされており、同法第38条の4に定めるいわゆる労使委員会の委員の5分の4以上の多数による議決による決議によってこれを行うことは認められていない。
エ.労働基準法第32条にいう「労働」とは、一般的に、使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることを要件とはしない。したがって、例えば、運転手が2名乗り込んで交替で運転に当たる場合において運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠をとっているときであってもそれは「労働」であり、その状態にある時間は労働基準法上の労働時間である。
オ.労働基準法第34条に定める「休憩時間」とは、単に作業に従事しないいわゆる手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいう。

解答:ウ

ア.正しい。労働時間は、事業主を異にする事業場において労働する場合も通算される(法38条1項、S23.5.14 基発769号)。
イ.正しい。労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱いによる出席の強制がなく、自由参加のものであれば、時間外労働にはならない(法32条、S26.1.20 基収2875号)。
ウ.誤 り。「認められていない」が誤りで、正しくは「認められている」である。1カ月単位の変形労働時間制の要件である「労使協定又は就業規則その他これに準ずるもの」については、企画業務型裁量労働にかかる法38条の4第5項に定めるいわゆる労使委員会の委員の5分の4以上の多数による議決による決議によって行うことが認められている(法32条の2,法38条の4第5項)。
エ.正しい。設問のような場合は、一種の手待ち時間或いは助手的な勤務として労働時間と解するのが妥当である(法32条、S33.10.11 基収6286号)。
オ.正しい。休憩時間とは単に作業に従事しない手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることが保障されている時間をいう(法34条、S22.9.13 基発17号)。

(社労士試験過去問H26-5より)


問題.19
労働基準法で定める年次有給休暇に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.労働基準法第39条に定める年次有給休暇の利用目的は同法の関知しないところであり、労働者が病気療養のために年次有給休暇を利用することもできる。
b.労働基準法第39条に定める年次有給休暇権の発生要件の1つである「継続勤務」は、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解される。したがって、この継続勤務期間の算定に当たっては、例えば、企業が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合は、勤務年数を通算しなければならない。
c.労働基準法第39条に定める年次有給休暇について、労働者と使用者の間でその日数に相当する金銭を支給する年次有給休暇の買上げの予約がなされた場合、それが労働者の自由な意思によってなされたものと認められるときには、これに基づいて当該金銭を使用者が労働者に支給することによって、年次有給休暇は消化されたものとされる。
d.労働基準法第39条に定める年次有給休暇は、暦日単位で付与しなければならないため、時間単位で付与することは認められていない。
e.労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合には、使用者との事前の調整を経なければ、時季指定権を行使することができない。
  • ア. aとb
  • イ. aとe
  • ウ. bとd
  • エ. bとe
  • オ. cとd

解答:ア

a.正しい。「負傷又は疾病等により長期療養中の者が休業期間中年次有給休暇を請求したときは、年次有給休暇を労働者が病気欠勤等に充用することが許されることから、このような労働者に対して請求があれば年次有給休暇を与えなくてはならない」とされている(S24.12.28 基発1456号、S31.2.13 基収489号)。
b.正しい。企業が解散し、新会社に包括承継された場合は、勤務年数を通算しなければならない(法39条、S63.3.14 基発150号)。
c.誤 り。年次有給休暇の買上げの予約をし、これに基づいて法第39条の規定により請求し得る年次有給休暇の日数を減じ、ないし、請求された日数を与えないことは、法第39条の違反になる(S30.11.30 基収4718号)。
d.誤 り。時間を単位として有給休暇を与えることができる(法39条4項)。
e.誤 り。労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合、事前の調整を経なくとも、時季指定権を行使することはできるが、使用者の時季変更権の行使について、使用者にある程度の裁量的判断の余地が認められるとされている(最判H4.6.23 時事通信社事件)。

(社労士試験過去問H24-6より)


問題.20
労働基準法で定める妊産婦等に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.派遣中の派遣労働者が、労働基準法第67条第1項の規定に基づく育児時間を請求する場合は、派遣元事業主に対してではなく、派遣先の事業主に対して行わなければならない。
b.使用者は、妊娠100日目の女性が流産した場合については、労働基準法第65条に規定する産後休業を与える必要はない。
c.労働基準法では、「妊産婦」は、「妊娠中の女性及び産後6か月を経過しない女性」とされている。
d.労働基準法第65条第3項においては、「使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。」と規定されているが、派遣中の派遣労働者が同項の規定に基づく請求を行う場合は、派遣元の事業主に対してではなく、派遣先事業主に対して行わなければならない。
e.使用者は、労働基準法第66条第2項の規定に基づき、妊産婦が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。
  • ア. aとb
  • イ. aとe
  • ウ. bとd
  • エ. bとe
  • オ. cとd

解答:イ

a.正しい。育児時間の請求の規定は、派遣中の労働者の派遣就業に関しては、派遣先の事業のみを、派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用される(法67条1項、派遣法44条2項)。
b.誤 り。出産は妊娠4カ月以上(1カ月は28日として計算する。したがって4カ月以上というのは85日以上のことである)の分娩とし、生産のみならず死産をも含むため、労働基準法第65条に規定する産後休業を与えなければならない(法65条2項,昭和23年12月23日基発1885号)。
c.誤 り。「産後6か月」が誤りで、正しくは「産後1年」である(法64条の3)。
d.誤 り。法65条3項にかかる「軽易な業務への転換」の請求は、派遣元事業主に対して行わなければならない(法65条3項、派遣法44条)。
e.正しい。「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない」(法66条2項)。

(社労士試験過去問H25-4より)


問題.21
労働基準法で定める就業規則等に関する次のaからeまでの記述のうち、誤っているものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.労働基準法第89条に定める就業規則とは、労働者の就業上遵守すべき規律及び労働条件に関する具体的細目について定めた規則類の総称である。
b.労働基準法第89条に定める就業規則の作成義務等の要件である「常時10人以上の労働者を使用する」とは、10人以上の労働者を雇用する期間が一年のうち一定期間あるという意味であり、通常は8人であっても、繁忙期においてさらに2、3人雇い入れるという場合も、これに含まれる。
c.労働基準法第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部、又は、同条第3号の2以下の相対的必要記載事項のうち当該事業場が適用を受けるべき事項を記載していない就業規則は、同条違反の責を免れないものであり、労働基準法第13条に基づき、無効となる。
d.労働基準法第32条の3に定めるフレックスタイム制の対象となる労働者については、就業規則において始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨の定めをし、また、フレックスタイム制においてコアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合には、これらに関する事項を就業規則で定めておけば、労働基準法第89条第1号に定める「始業及び終業の時刻」の就業規則への記載義務を果たしたものとされる。
e.労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更についての過半数労働組合、それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴取する義務については、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということであって、協議をすることまで使用者に要求しているものではない。
  • ア. aとb
  • イ. bとc
  • ウ. cとd
  • エ. dとe
  • オ. aとe

解答:イ

a.正しい。就業規則とは、労働者の就業上遵守すべき規律及び労働条件に関する具体的細目について定めた規則類の総称である(法89条)。
b.誤 り。「常時10人以上の労働者を使用する」とは、常態として10人以上の労働者を使用しているという意味であり、通常は8人で、繁忙期に2、3人雇い入れるような場合は、これに含まれない(法89条)。
c.誤 り。「労働基準法第13条に基づき、無効となる」が誤りである。設問のような就業規則も、その効力発生についての他の要件を具備する限り有効である。ただし、設問のような就業規則を作成し届出ても使用者の法89条違反の責は免れない(法89条、S25.2.20 基収276号、H11.3.31 基発168号)。
d.正しい。法第89条第1項は、就業規則で始業及び終業の時刻を定めることと規定しているが、フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則において、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨の定めをすれば同条の要件を満たすものであること。その場合、コアタイムやフレキシブルタイムも始業及び終業の時刻に関する事項であるので、それらを設ける場合には、就業規則においても規定すべきものである(法32条の3、S63.1.1 基発1号)。
e.正しい。「労働組合の意見を聴かなければならない」というのは労働組合との協議決定を要求するものではなく、当該就業規則についての労働組合の意見を聴けば労働基準法の違反とはならない趣旨である(法90条1項、S25.3.15 基収525号)。

(社労士試験過去問H26-7より)


問題.22
労働安全衛生法で定める健康診断に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.常時使用する労働者に対して、事業者に実施することが義務づけられている健康診断は、通常の労働者と同じ所定労働時間で働く労働者であっても1年限りの契約で雇い入れた労働者については、その実施義務の対象から外されている。
b.事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者については、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定める項目について健康診断を実施しなければならない。
c.事業者は、高さ10メートル以上の高所での作業に従事する労働者については、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定める項目について健康診断を実施しなければならない。
d.事業者は、労働安全衛生規則に定める健康診断については、その結果に基づき健康診断個人票を作成して、その個人票を少なくとも3年間保存しなければならない。
e.健康診断の受診に要した時間に対する賃金の支払について、労働者一般に対し行われるいわゆる一般健康診断の受診に要した時間については当然には事業者の負担すべきものとされていないが、特定の有害な業務に従事する労働者に対し行われるいわゆる特殊健康診断の実施に要する時間については労働時間と解されているので、事業者の負担すべきものとされている。
  • ア. aとc
  • イ. aとe
  • ウ. bとd
  • エ. bとe
  • オ. cとe

解答:エ

a.誤 り。「期間の定めがある労働契約により使用されている者であっても、1年(一定の有害業務に従事する者は6箇月)以上使用されることが予定されている者は、常時使用する労働者に該当する」とされている。従って、1年限りの契約である場合は、1年以上であるので、健康診断を実施しなければならない(法66条1項、H19.10.1 基発1001016号)。
b.正しい。深夜業を含む業務は、特定業務に含まれるため、事業者は深夜業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、健康診断を行わなければならない(法66条1項、則45条1項、則13条1項3号)。
c.誤 り。高所での作業は、特定業務に含まれない(法66条1項、則45条1項、則13条1項3号)。
d.誤 り。「3年間」が誤りで、正しくは「5年間」である。 原則として、事業者は、健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならないと規定されている(法66条の3、則51条)。
e.正しい。一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく労使協議して定めるべきものであるが、特殊健康診断は、事業の遂行にからんで当然に実施されなければならない性格のものであり、それは所定労働時間内に行われるのを原則とすること。また、特殊健康診断の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該健康診断が時間外に行われた場合には、当然割増賃金を支払わなければならないものであること」とされている(法66条1,2項、S47.9.18 基発602号)。

(社労士試験過去問H27-10より)


問題23.
労働者災害保険法における通勤災害等に関する以下のアからオまでの記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
ア.寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合は、通勤に該当することはない。
イ.運動部の練習に参加する目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合も、通勤に該当する。
ウ.日々雇用される労働者が公共職業安定所等でその日の職業紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、通勤に該当しない。
エ.昼休みに自宅まで時間的に十分余裕をもって往復できる労働者が、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤する往復行為は、通勤に該当しない。
オ.業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除いても、通勤に該当することはない。

解答:ウ

ア.誤 り。所定の就業日に所定の就業開始時刻を目途に住居を出て就業の場所へ向う場合は、寝すごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性が認められる(法7条2項、H18.3.31 基発0331042号)。
イ.誤 り。所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合は、通勤に該当しない(法7条2項、H18.3.31 基発0331042号)。
ウ.正しい。公共職業安定所等でその日の紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、未だ就職できるかどうか確実でない段階であり、職業紹介を受けるための行為であって、就業のための出勤行為であるとはいえない(法7条2項、H18.3.31 基発0331042号)。
エ.誤 り。昼休みについては、午前中の業務を終了して帰宅し、午後の業務に就くために出勤するものと考えられるので、その往復行為は就業との関連性を認められる(法7条2項、H18.3.31 基発0331042号)。
オ.誤 り。「業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めても差し支えない」とされている(法7条2項、H18.3.31 基発0331042号)。

(社労士試験過去問H24-1より)


問題24.
雇用保険法における適用事業及び被保険者に関する以下のアからオまでの記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
ア.適用事業の事業主との間に雇用関係が存続していても、労働者が長期にわたり欠勤していることにより賃金の支払を受けていない場合には、当該労働者は被保険者とならない。
イ.株式会社の代表取締役が被保険者になることはない。
ウ.都道府県の長が、当該都道府県の事業に雇用される者について、雇用保険法を適用しないことについて厚生労働大臣による承認の申請を行い、その承認を受けたときは、その承認の申請に係る被保険者については、その承認の申請がなされた日の翌日から雇用保険法は適用されない。
エ.適用事業で雇用される被保険者が、事業主の命を受けて取引先である中国企業の北京支店に出向した場合、当該出向元事業主との雇用関係が継続している場合であっても、当該出向期間が4年を超えると、被保険者たる資格を失う。
オ.適用事業に雇用された者であって、雇用保険法第6条のいわゆる適用除外に該当しない者は、雇用関係に入った最初の日ではなく、雇用契約の成立の日から被保険者となる。

解答:イ

ア.誤 り。労働者が長期欠勤している場合であっても、雇用関係が存続する限り賃金の支払を受けていると否とを問わず被保険者となる(法4条1項、行政手引20352)。
イ.正しい。代表取締役が被保険者になることはない(法4条1項、行政手引20351)。
ウ.誤 り。適用除外の承認の申請がなされたときは、その承認の申請に係る被保険者については、その承認の申請がなされた日から雇用保険法は適用されない。但し、雇用保険法を適用しないことについて承認をしない旨の決定があったときは、その承認の申請がなされた日にさかのぼって雇用保険法が適用される(法6条7号、則4条2項)。
エ.誤 り。適用事業で雇用される被保険者が、事業主の命を受けて、日本国の領域外に、出張・転勤・出向等により就労する場合は、当該事業主との雇用関係が継続している限り、被保険者とされる(法4条1項、行政手引20352)。
オ.誤 り。「雇用契約の成立の日から」が誤りで、正しくは「雇用関係に入った最初の日から」である。被保険者資格の基礎となる当該雇用契約に基づき労働を提供すべきこととされている最初の日に被保険者資格を取得する(法4条1項,行政手引20551)。

(社労士試験過去問H24-1より)


問題.25
労働契約法に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a.労働契約法第5条は労働者の安全への配慮を定めているが、その内容は、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めるものではないが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められる。
b.労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が必ず書面を交付して合意しなければ、有効に成立しない。
c.いわゆる在籍出向においては、就業規則に業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり、さらに、労働協約に社外勤務の定義、出向期間、出向中の社員の地位、賃金、退職金その他の労働条件や処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられているという事情の下であっても、使用者は、当該労働者の個別的同意を得ることなしに出向命令を発令することができないとするのが、最高裁判所の判例である。
d.使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないが、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される。
e.労働契約法は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約及び家事使用人の労働契約については、適用を除外している。
  • ア. aとc
  • イ. aとd
  • ウ. bとd
  • エ. bとe
  • オ. cとe

解答:イ

a.正しい。「必要な配慮」とは、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めるものではないが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められる(法5条、H24.8.10基発0810第2号)。
b.誤 り。労働契約は、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者の合意のみにより成立する。従って、労働契約の成立の要件としては、契約内容について書面を交付することまでは求められない(法6条、H24.8.10基発0810第2号)。
c.誤 り。在籍出向について、設問のような事情の下においては、「使用者は、当該労働者の個別的同意を得ることなしに出向命令を発令することができる」とするのが、最高裁判所の判例である(法14条、新日本製鐵事件 最判H15.4.18)。
d.正しい。契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される(法17条、H24.8.10基発0810第2号)。
e.誤 り。家事使用人の労働契約については、適用を除外していない(法22条)。労働契約法の「適用除外」として次のものが定められている。
1. 国家公務員及び地方公務員
2. 使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約

(社労士試験過去問H28-1より)


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